防振だけが買いたい双眼鏡ですか?
半年前、双眼鏡を新調しました。
それまでの双眼鏡人生約7年、初めて買ったこの子を愛用していました。
アリーナM 8×21
- 倍率:8
- 対物レンズ有効径:21mm
- 実視界:6.4°
- 明るさ:6.8
- 重さ:170g
当時、量販店の店頭で店員さんに説明を受けながら、だけど最終的に色で選んだような記憶がうっすらあるこの子。
でも結果として、コンサートで見たい対象を見るのに不満はなく過ごせていました。
ところが時が過ぎメイン使いのSNSがmixiからTwitterに変わり、何やらハイスペックな双眼鏡を所持している人が多くいる事を知る...どうやらそれは「防振双眼鏡」というらしい。
当然それが気になってきます。
何を隠そう私は公演中の8~9割は双眼鏡を覗いています。完全に野鳥の会。なかなかに常用者。
かつて双眼鏡越しに指を差された事や目が合った事もあります。(個人の感想です)
アリーナAブロックからだって双眼鏡でメインステの自担をロックオン。少なくともその日周りにそんな人はいなかった。
...とまあ、そんな野鳥の会会員な私がよりハイスペックな双眼鏡に心を奪われるのは至極当然の流れで、例に漏れず防振双眼鏡が欲しくなります。
折しもJUMPのツアーを控えていた今春、別件で東京ドームの40ゲートにお邪魔する機会ができたので
「どうせ天井なら良い双眼鏡をゲットして試しておきたい!!」
「どうせJUMPも来年はドームだし!(口癖)」
と奮い立ち、一念発起して防振を買う心意気で有楽町の量販店へ赴きました。
そしてそこで出会った担当店員Yさん(有楽町のY)に丁寧な説明を受けます。
Y『双眼鏡で大事なのは明るさと視野です。防振双眼鏡は人気だけど入荷しないし女性には重い。この辺りが軽いしスペックも良くてオススメです。』(半年前の会話ゆえ全てニュアンス)
と教えて頂き、レンズを覗いてみるとそこは別世界。
向こうの向こうの向こうに貼ってあるポスターがくっきり見える。やばい。すごい。
もうこの時点で、今まで愛用していたアリーナちゃんより格上なのは明らかでした。
その日は他にも予定があったため、「丁寧にありがとうございました。検討させてもらいます!」と型番(と価格)の写真を撮らせてもらい店を出ました。
ところが場所を移動しても双眼鏡への熱意がおさまらず、移動先でその日のうちに購入。なんて奴だ。
せめてYさんへの敬意をと思い、同じチェーン店で購入しました。
そこでも同シリーズの8倍と10倍を使い比べ、店外のロータリーの向こうに見える人々や看板を見てはわーきゃーわーきゃー。(友達と一緒でした)
そうして私が買ったのがコレ。
Vixen 双眼鏡 アトレックIIシリーズ アトレックIIHR8×32WP 14723-6
- 出版社/メーカー: ビクセン
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
アトレックII HR8×32WP
- 倍率:8
- 対物レンズ有効径:32mm
- 実視界:7.5°
- 明るさ:16
- 重さ:390g
価格は防振の約3分の1。
6万出すつもりで出掛けたのに2万で良い物を買えて心も懐も潤っていました。
その夜、試しに玄関から外を見てみました。
すると、遠くのビルの屋上で作業中のクレーン的なものに付いている赤いランプがくっきり見える。月の模様もキレイに見える。
...こいつはやべーぞ。
そしてこの子を連れて東京ドームへ。
ステージの真正面だった事も影響しているでしょうが、天井も天井・ドームの最後列から約10列の場所でも超見やすかったんです。
見えるものは小さいけれど、全部がはっきりくっきりしているから遠く感じない。
少し前にアリーナちゃんを連れてお邪魔した時には、40ゲート1列目でも向かいのモニターすら見えづらくて担当がいないのを良い事に「もう雰囲気を楽しもう...!」と無の境地になったくらいだったのに。
とっても良い買い物をしたなと思いました。
アトレックくんと共に生きていこうと誓いました。
そんな大切な彼アトレックくんとJUMPのツアーを駆け抜けた私ですが、やっぱり各地で防振双眼鏡をお持ちの方々を見かけるわけで...。
勿論アトレックくんに不満は何一つありませんでした。
スタンド最後列からだって可愛い伊野尾くんのお顔が確認できる。
(横浜アリーナの)センター席では遮るもののないソロアングル状態で踊る伊野尾くんを丸々1曲見ていられる。
もはや彼無しでは生きていけない体になっていました。
でも、それでも目に入るたび私を惑わせる防振の呪縛。
実は、アトレックを購入した日、当初の目的である防振双眼鏡には触っていませんでした。
漠然とした憧れと期待値だけが募っていて、そのスペックは未体験。実際覗いた事がなかったのです。
アトレックくんに魅せられ心酔していた私ですが、防振も実際この目で使って比べてみないと断言できない!片方だけしか知らない状態で相手をサゲるのはよくない!
ツアーを終え年末年始の東京ドームに向けて、この想いとはきちんと向き合って解決させなければ。そう思いました。
Twitterに身を置いてからというもの、昔以上にやたら理論的な目線や正しい日本語を使う事を気にするようになってしまった私は、ここはひとつ防振を手にしようじゃないか!触ってからアトレックくんをベタ褒めしてノロケる記事を書こうじゃないか!とまたも一念発起し、再度量販店を訪れる決意をします。
...何なら10倍のものも欲しくなっちゃってて。2つ使いとかしても良いよね、なんて思いも忍ばせながら。
そんな折、友達もまた双眼鏡の新調へ心が揺れていました。
私がアトレックくんと出会った日に同席していたので話は早い。彼女もアトレック狙いです。
せっかくなので同行し、新宿の量販店へ。
友「これ(アトレック)ください」
店員Sさん(新宿のS)「かしこまりました」
私(傍観)
友「あの、防振双眼鏡って...」
S「あぁー、これねぇ」←これまで同じようなオタクに何度も接客したのか、この辺からテンション下がったように感じた
S「なかなか入荷しないんですよねぇ(ガラスケースから取り出し使い方を説明)」
友「(使ってみる)あぁー、なるほど」
私(借りて覗いてみる、手ブレ補正ボタン押してみる)
ついに訪れた未知との遭遇。
...あ、こんなもんか。
これが正直な感想でした。
今使っているアトレックと見え方が大差なかった。
使い慣れればまた違うのかもしれませんが、私の場合、ボタンを押すために力が入ってそのせいで手が揺れるからたいして像が止まって見えなかった。
あと重い。
アトレックくんを購入した時点で薄々感じていたのですが、決定打となる質問をSさんへ投げかけました。
私「結局この値段の差って“手ブレ補正機能”なんですよね?」
S「そうですね。(キッパリ)」
ほらやっぱりなー!!大勝訴ーーー!!!!
だったら私には防振は必要ないっていうかアトレックが最適で最高で最強だなっていう結論に至り、迷っていた10倍のものも買わずに帰宅してコレを書いています。
ちなみに友達が買ったのは同シリーズのコチラ。
アトレックⅡ HR10×32WP
- 倍率:10
- 対物レンズ有効径:32mm
- 実視界:6.0°
- 明るさ:10.2
- 重さ:390g
友達とは担当が違うので、10倍で見たくなったら借りる事にします。笑
そして皆のアイドル防振さまのスペックも書いておきますね。
Canon 10×30 IS Ⅱ
- 倍率:10
- 対物レンズ有効径:30mm
- 実視界:6°
- 明るさ:9
- 重さ:600g
こうして見ると、私の8倍アトレックくんより10倍のそれと比較した方が話を進めやすいですね。
同じ倍率・同じ実視界ではあるけれどレンズ径が大きく、ゆえに明るさの値も大きい。
そして何と言っても軽い。
加えて、私の使っている8倍では明るさが断然良い。
メーカーが違う事によるレンズ自体の性能差についてはわからないので、そこは目をつぶって読んで下さると幸いです。
私のように公演中ほとんど双眼鏡を覗いている野鳥の会会員の皆さまにおかれましては、ダンス曲なんかは団扇はおろかペンライトも置いて両脇ガッチリ閉じて両手で双眼鏡を握っているのではないかと思います。
そうでなくても片手に双眼鏡、片手にペンライトと気が向いたら団扇も持ったりして過ごしている事と存じます。
そんな時、双眼鏡自体の重量は絶対ネックになりますよね。
事実、コンサート会場で見かけた近くの防振所持者さんは
通常時→カバンの上に置いてる
その人がガン見したい曲→持ち上げて双眼鏡覗く
という使い方をしている人がほとんどでした。
だとしたら私達野鳥の会会員には適していない。圧倒的に不向きです。
1日2公演なんて耐えたら翌日腕上がらないんじゃないだろうか。(老化現象)
一方アトレックは390gで、一般的な層が使うであろうアリーナの170gよりは確かに重いですがじきに慣れます。私はむしろアリーナを軽いなと感じる域に達しています。笑
ここでは詳しく触れていませんが、同じビクセン社のジョイフルもアリーナと同程度のスペックで重さも同じくらいですね。
長々としたこのエントリーをここまで読んで下さっている方にはご理解頂けると思うのですが、念のためお伝えしておくと
アトレックを選ぶのは決して妥協ではない
という事です。もちろん防振を否定する気も毛頭ありません。
倍率はさて置いて、かの有名な防振に劣る所があるとすれば、それは
- 手ブレ補正機能
- 重さ
- 価格
- ネームバリュー
くらいじゃないでしょうか。
私もそうですけど、オタクやっていく上でどうしても「防振使ってる」って一つのステータスみたいになっていると思うんですよね。
でも、この浮いた4万円で今のHey! Say! JUMPなら5~6公演入れます。
名義8個作れるし更新なら10回できます(グレーゾーン)。
そして何より明るい!軽い!
薮くん並みに余談の多い記事で恐縮ですが(笑)、アトレックお勧めですよ!の一言につきます。
初めて双眼鏡を買う人向けではないですが、今より良い双眼鏡を新調したい!美しい自担をよりはっきりくっきり見たい!と考えている人の手助けになれば幸いです。
防振双眼鏡の誘惑や響きに負けず、じっくり比較して検討してそれぞれのお気に入りと出会って欲しいなと思います。
それがもしアトレックだったら嬉しい限りです...現場で私と握手しましょう!
言うまでもなくビクセンさんの回し者ではありません(笑)